機能訓練指導員などの国家資格

機能訓練指導員とは

病院や介護施設などで、歩行練習や筋力トレーニングなど、日常生活を送るために必要な機能を改善する訓練指導を専門的に行うスタッフを、機能訓練指導員といいます。

機能訓練指導員になるには、以下いずれかの資格が必要となります。

  1. 理学療法士
  2. 作業療法士
  3. 言語聴覚士
  4. 柔道整復師
  5. あん摩マッサージ指圧師

※看護師、准看護師も可能

上記5つの資格について、概要と試験要項を解説します。

1. 理学療法士とは

理学療法士(通称:PT)は「リハビリの第一人者」です。障害で歩行が困難になったり、体が麻痺したりしている状態から、運動による療法、日常の動作訓練、車いすの訓練など「運動」が中心の治療を行います。

理学療法士が携わるのは、リハビリに取り組むお子さんから高齢者まで幅広い年齢層の方々です。それぞれの症状や体力、状況に合わせた訓練方法の策定や実施が必要となります。

また、理学療法士自身もリハビリを手伝うため、身体が麻痺している方の体を支えるなど、体力が必要となる場面も少なくありません。障害を抱えた方がリハビリを経て、より健康で自由に動かせる体を作るための重要な役割を担っています。

理学療法士になるには

理学療法士は国家資格です。理学療法士になるためには、短大・専門学校・大学のいずれかの理学療法士専門課程を修了し、理学療法士国家試験に合格する必要があります。

理学療法士の受験に必須の単位などもあり、在学中にそうした単位を取得し、試験でも相応の成績を収めていなければ受験資格が与えられないことがあります。ただ学校を卒業すれば良いというわけではなく、ある程度の成績をキープしていることも重要です。

理学療法士になるまでの期間は、最低でも学校を卒業するまでの3~4年がかかります。学費は学校によっても異なりますが、短大や専門学校(いずれも3年制)の場合、およそ500万円+実習費用などがかかってきます。

理学療法士の試験要項

理学療法士国家試験は、毎年1回、2月下旬に行われています。試験は厚生労働省が管轄しています。理学療法士の試験会場は、筆記試験が北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、香川県、福岡県、沖縄県です。筆記試験後の口述および実技試験は、東京都のみで行っています。

願書は各都道府県の国家試験担当や県庁、地方行政局などでもらうことができます。受験料は10,100円です。

※過去5年間の試験日程は以下の通りです。

年度 日程
2012(平成24)年 2月26日(日)
2013(平成25)年 2月24日(日)
2014(平成26)年 2月23日(日)
2015(平成27)年 3月1日(日)
2016(平成28)年 2月28日(日)

毎年、結果は3月下旬に発表されます。合格率は70%~80%と比較的高い数字ですが、年々受験者数および合格者数が増えていることから、段々と問題の難易度が高まり、合格率が減少していく可能性もあります。

2. 作業療法士とは

作業療法士(通称:OT)は国家資格の一つで、傷病により身体に障害を抱えている方に対して、食事ができるようにお箸を持つ訓練をしたり、入浴や排せつなど日常的な動作ができるように訓練をしたりする専門家です。

理学療法士はリハビリの中でも「運動」に特化していましたが、作業療法士は料理や織物、木工など日常的な動作をリハビリに取り入れています。いわば作業療法士とは病気によって障害を抱えてしまった人が社会復帰するためのプランを策定し、実施していく「日常動作のリハビリ」の第一人者です。

資格取得後は、リハビリ施設や病院、身体障碍者の厚生施設などに就職するケースが多いようです。

作業療法士になるには

作業療法士になるには、まず作業療法士養成課程のカリキュラムを組んでいる短大・専門学校・大学のいずれかに進学する必要があります。進学後、学校で必要な単位をすべて取得するほか、一定の成績を維持することが条件となります。

さらに修了後、作業療法士の国家試験に合格すると、晴れて作業療法士としての資格が与えられます。作業療法士になるには、作業療法士養成課程を修了するまでの最低3~4年が必要になります。学費は学校によって異なるので希望の学校の費用をチェックしておきましょう。

作業療法士の試験要項

作業療法士の国家試験は、1年に1度、毎年2月に行われています。厚生労働省が管轄しており、筆記試験と口述試験があります。

筆記試験は北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、香川県、福岡県、沖縄県で実施、口述試験は、東京都でのみ行われます。

作業療法士の受験願書は各地域の国家試験担当や地方行政局などでもらうことができます。受験料は10,100円です。

※過去5年間の試験日程は以下の通りです。

年度 日程
2012(平成24)年 2月26日(水)
2013(平成25)年 2月24日(日)
2014(平成26)年 2月26日(日)
2015(平成27)年 3月1日(日)
2016(平成28)年 2月27日(土)

毎年、結果は3月の下旬に発表されます。合格率は70%~80%前後です。

3. 言語聴覚士とは

言語聴覚士(通称:ST)とは、厚生労働省が管轄する国家資格です。

言語聴覚士は、うまく話したり聞いたりすることができない「言語障害」、声が出ない、出にくい「音声障害」、うまく食べ物を噛めない、飲み込めない「嚥下障害」の方の機能向上に向けて、訓練や訓練プランの策定、原因となっている本質を究明するといったことを行います。

障害の発覚に至った経緯には、精神的な要因や家庭環境なども依存するため、根気よく訓練にあたることが重要となります。言語聴覚士は、病院などの各医療機関や福祉機関、教育機関で働くケースが多いです。

言語聴覚士は各施設において需要のある職業のため、施設においてまだ言語聴覚士を配置していないというところであれば、就職しやすいかもしれません。

言語聴覚士になるには

言語聴覚士になるには、言語聴覚士を養成する過程のカリキュラムがある短大・専門学校、もしくは大学に進学する必要があります。既に言語聴覚士と無関係の大学を卒業している場合は、大学院や大学で2年間の専門的な勉強が必須です。

これらの過程を修了後、言語聴覚士の国家試験に合格すると、言語聴覚士としての資格が与えられます。そのため、言語聴覚士になるには、作業療法士養成課程を修了するまでの最低2~4年が必要になります。

学費は国立・私立など学校によっても幅があるため希望する学校の費用をよく調べておくようにしましょう。

言語聴覚士の試験要項

言語聴覚士国家試験は、毎年2月中旬~下旬に行われます。試験は筆記のみで5択選択式です。200問中120問、6割以上の正解で合格となります。試験は北海道、東京都、愛知県、大阪府、広島県、福岡県で行っています。

言語聴覚士の受験願書は毎年10月の下旬ごろから、各地域の国家試験担当や地方行政局などでもらうことができます。受験料は10,100円です。

※過去5年間の試験日程は以下の通りです。

年度 日程
2012(平成24)年 2月18日(土)
2013(平成25)年 2月16日(土)
2014(平成26)年 2月15日(土)
2015(平成27)年 2月20日(金)
2016(平成28)年 2月20日(土)

毎年、結果は3月の下旬に発表されます。合格率は50%~60%前後です。

4. 柔道整復師とは

柔道整復師とは国家資格で、骨や関節に関する急性の症状打撲やねんざ、脱臼などのけがに対して「柔術」を用いた治療法を行うスペシャリストです。柔道整復師が治療にあたる場合「外科手術」「薬による治療」は行いません。

柔道整復師が行う3つの治療法

  1. 整復法…骨折や関節の状態を元に戻す技術のこと。
  2. 固定法…骨折、脱臼になった場合、包帯や副木を使い、症状が出ている部分を固定する治療法のこと。
  3. 後療法…けがなどにより損傷してしまった体の組織を回復させる治療法のこと。

柔道整復師の資格を取得した後の進路としては、総合病院などの医療機関、整骨院スタッフ、スポーツトレーナー、機能訓練指導員、ケアマネージャーなどがあります。

柔道整復師になるには

柔道整復師の資格を取得するには、まず柔道整復師養成課程のカリキュラムがある短大もくしは専門学校・大学を修了する必要があります。さらに柔道整復師の国家試験に合格することで、資格を取得することができます。

そのため、柔道整復師の資格を取得するまでには少なくとも3~4年が必要となります。費用は大学(国立・私立でも異なる)や専門学校など各学校によって異なりますので、自分が進学を希望する学校の費用を調べておくようにしましょう。

柔道整復師の試験要項

柔道整復師の国家試験は厚生労働省が管轄しており、毎年3月上旬の日曜日に行われています。柔道整復師の試験は筆記のみで、分野は「必修問題」と「一般問題」に分かれています。

必修問題は8割、一般問題は6割以上の正答数を満たしていると合格となります。試験は北海道、宮城県、東京都、石川県、愛知県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、沖縄県行います。

柔道整復師の合格率は80%前後と比較的高い数字ですが、そのうち大学を既に卒業している人の合格率はわずか10~20%です。受験料は16,500円となります。

※過去5年間の試験日程は以下の通りです。

年度 日程
2012(平成24)年 3月4日(日)
2013(平成25)年 3月3日(日)
2014(平成26)年 3月2日(日)
2015(平成27)年 3月1日(日)
2016(平成28)年 3月6日(日)

毎年、結果は3月の下旬に発表されます。合格率は70%前後です。

5. あん摩マッサージ師とは

あん摩マッサージ師とは、肩や首、腰のコリなどに関して、手指を用いてマッサージを行い、コリをほぐしたり痛みを取り除いたり、血行を改善していきます。また、痛みやコリの原因について問診や検査をしてから治療に当たります。

基本的には東洋医学の療法を参考にしており、治療のための器具などは用いないのが特徴です。マッサージや整体を行う人の中には、免許を持っていない方もいますが、あん摩マッサージ師は厚生労働省が管轄する国家資格のため、試験に合格した人のみ「あん摩マッサージ師」を名乗ることができます。

あん摩マッサージ師になるには

あん摩マッサージ師養成課程のカリキュラムを採用している大学や専門学校で単位取得後、あん摩マッサージ師国家試験に合格する必要があります。最低でも取得までに3~4年がかかります。

あん摩マッサージ師の養成課程カリキュラムを組んでいる学校は、全国でもまだまだ少なく、地域によっては倍率が高い学校もあります。

あん摩マッサージ師の試験要項

あん摩マッサージ師の国家試験は、毎年2月下旬に行われています。試験は筆記のみ、60%以上の正答率で合格となります。試験は宮城県、東京都、愛知県、大阪府、香川県、鹿児島県で行います。

視覚障害を抱えている方は、各都道府県で受験が可能です。合格率は80~90%前後、受験料は11,600円となります。

※過去5年間の試験日程は以下の通りです。

年度 日程
2012(平成24)年 2月25日(土)
2013(平成25)年 2月23日(土)
2014(平成26)年 2月22日(土)
2015(平成27)年 2月21日(土)
2016(平成28)年 2月27日(土)

合格発表は毎年3月下旬頃です。

神奈川でおすすめな介護資格が取れる学校5選